バルサの選手になるという夢が実現した
女性レポーターが「ネイマールはカタルーニャ語を学んでいるようです」と言うと、ネイマールは笑いながら、親指と人差し指をくっつけて、「少しだけ」というジェスチャーをしてみせた。
「カンプノウをどう思いますか? 気に入りましたか?」
再び、女性レポーターがマイクを向けると、ネイマールはスタジアムにいる観客を見つめながら話した。
「とても感動している。とても幸せなんだ。どうもありがとう」とこれもまた全てカタルーニャ語で話した。
「このチームでどのような活躍を見せてくれるのでしょうか?」と女性レポーターが続けると、ネイマールは少し考えるような仕草をして、さすがにカタルーニャ語では言葉が出てこなかったのだろう。「ポルトガル語で」と言って笑った。
しかし真剣な表情になり、一語一語、感動をかみしめるようにゆっくりと話した。
「僕の夢が叶った。クラブ以上の存在であるバルサに貢献できるといい。それだけでなく、メッシがこれからも世界最高のプレーヤーであり続けられるように、協力したいんだ」
それを女性レポーターはカタルーニャ語に訳したが、もはやその必要もなかった。ネイマールが言い終わると同時に観客は大声援で応えたからだ。
「とても幸せだし、感動しているよ。バルサの選手になるという夢が実現したんだ。どうもありがとう。みんなにも神のご加護がありますように。ビスカ・バルサ(バルサ万歳)」
正午過ぎからメディカルチェックや撮影、契約書のサインと矢継ぎ早に予定をこなしてきたネイマールにとって、バルサファンとの初めての面会となったセレモニーは彼の言葉通り感動的なものであった。
その後に行われた記者会見で、最初に挨拶したネイマールの言葉はまさにその気持ちを正直に表していた。
「みなさん、こんにちは。僕はとても幸せなんだ。僕の夢がまた一つ叶い、とても感動している。偉大な一日となったんだ。僕の家族にとってもね。神に感謝している。
これまで多くのクラッキがプレーしてきたバルセロナに、僕は小さいときから憧れていた。メッシ、イニエスタ、シャビ、たくさんのクラッキがプレーしている。今日から僕にとって新しいステージが始まる。もし神がお許しになるのなら、大きな成功と喜びを得ることだろう」