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日本代表 9年前

高倉麻子監督率いる新生なでしこJ発足。年代別代表との兼任。理想的なルートで新時代へ

text by 藤江直人 photo by Kudo Asuka, editorial staff, Getty Images

初の女性監督も、気負いはなし

2014年のU-17女子W杯で日本を優勝に導いた高倉監督
2014年のU-17女子W杯で日本を優勝に導いた高倉監督【写真:Getty Images】

 もちろん当時のことは覚えていないはずだが、高倉氏の人柄を今井女子委員長は「さっぱりした方で、強くて、それでいて非常に細やか」とさらに付け加えた。就任会見でもひな壇の中央で、力強い言葉と絶えず浮かべていた穏やかな笑顔を介して、なでしこの由来となった「凛とした美しさ」を漂わせていた。

「選手のときからそうでしたけど、一番最初を歩く役割というか、ずっとそうだった気がします。ただ、一番最初を歩くことにプレッシャーを感じることはありません。女性であるからと言って、引っかかるものは何もありません。

 選手のときはいかに上手くなるのかを日々追及してきましたし、指導者になったいまはいかに選手を上へ引っ張るかを考えています。そこに女性、男性は関係ないと思っています。自分のもっているものをすべてぶつけていきたい」

 なでしこジャパン初の女性監督という肩書にも、気負いはまったくない。日本サッカー界が年代別代表で経験を積ませながら大切に育ててきた、いわば「切り札」的な存在である高倉新監督は、日本時間6月3日に米コロラド州コマースシティーで行われる女王アメリカ女子代表戦で注目の初さい配をふるう。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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