慣れていない選手たち。困惑する場面も
レイソル戦も水原戦も、同じパターンにはまってしまっていた。ガンバはかなりの時間ボールを支配するが、それをゴールへの脅威に繋げることができない。前線の連携は特に不安要素だ。
宇佐美貴史や長沢駿、アデミウソンの波長が合うことは滅多になく、チームは新たなホームスタジアムを自分たちの家だとは感じられていないというのが全体的な印象だ。
会場が素晴らしいことに疑問の余地はないが、現時点ではアイデンティティを確立しきれていないように思える。アウェイの選手たちやファンもホーム側と同じようにスタジアムに影響されモチベーションを上げているため、まるで中立地同然だ。
各チームはホームのピッチで優位に立ち、慣れ親しんだ環境によるアドバンテージを得られることが期待されるものだが、ガンバの選手たちがピッチ内外の環境にまだ慣れることができていないのは明白だ。
たとえば、2-1で勝利を収めた3月の大宮アルディージャ戦は、これまでガンバが吹田スタジアムで白星を挙げた唯一の試合だが、試合のメンバーに入っていなかった岩下敬輔と丹羽大輝の2人は、どこから試合を観戦するべきなのかを求めてスタジアムの奥深くに迷い込んでしまっていた。試合に出場する選手たちも、試合後にどこを通ってミックスゾーンに出て行けばいいのか懇切丁寧にレクチャーを受けなければならなかった。
だが、より不安を感じさせたのはピッチ上での問題だ。