クラブは合意報道を否定するも…
合意報道がなされた後、すかさずミランの親会社である「フィニンヴェスト」社はクラブ買収の噂を否定。アリババも「ノーコメント」の立場を表明している。それでも、ミランが中国資本とのクラブ売却交渉についていることは事実であるとみられている。今回の買収騒動はイタリア国内のスポーツ新聞だけでなく、『Il Sole 24 Ore』など経済紙もこぞって続報を報じている。
アリババのミラン買収の信憑性を高める2つの要素は「広州恒大」と「マルチェロ・リッピ監督」の存在である。アリババは2014年に中国スーパーリーグの広州恒大淘宝足球倶楽部の株式50%を購入し、サッカー界で存在感を強めている。また、ミランが来季の指揮官として招聘が噂されているリッピ監督は2012年から2014年まで広州恒大の指揮官を務めていた。
一部報道によれば中国資本によるミラン買収に対する投資額は合計で12億ユーロ(1515億円)とも言われている。現オーナーのシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の要求を十分に満たす金額だ。現在は詳細な買収額の交渉中ということだろう。
2014/2015シーズン以降、3季連続でチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃すことが決定するなど、低迷ぶりに拍車がかかるミラン。果たして、“チャイナ”ミランは誕生するのだろうか。
(文:Keiske Horie)
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