アジアの舞台でも結果を出せるようになってきた
「中央を消したことで相手はサイドしかありませんでしたけど、そうなってもウチの選手が1人ではなく2人でポジションを取ってボールにいっていた。相手は『いままでのレッズではない』と感じたんじゃないですかね。嘉人さんの発言もあって、今日は絶対に川崎に黒星をつけてやるぞ、という強い気持ちで挑めましたけど、サッカーの本質的な部分も含めて、完全勝利ができたと思っています」
西川が再びフィールドプレーヤーを称えれば、槙野はフロンターレのコーナーキックを後半の1本だけに封じた点に声を弾ませた。自陣のゴール付近で、相手のきわどい攻撃を許さなかった証となるからだ。
「川崎相手にもそうだし、2つ前の試合ではセットプレーを得意とするマリノス相手にそのチャンスを与えなかった。今シーズンは自分たちのゴール前で不要なファウルをしない、ということを徹底している。
それでもズルズルと下がるだけのディフェンスではなく、リスクはあるけれども、それでもボールを奪いにいく守備をすることが今シーズンのウチのよさでもあるので。それが結果として数字に出ているんじゃないかと思います」
新たな戦法はアジアをも凌駕している。同時進行で戦うACLでは昨シーズンの王者・広州恒大に1勝1分けの星を残し、スコアレスドローと粘った20日のシドニーFC戦で決勝トーナメント進出を決めた。
中3日で迎えたフロンターレ戦はしかし、敵地を往復した約1万6000kmの移動による疲れをまったく感じさせない。累積警告による出場停止で遠征に参加していないDF森脇良太は「みんなすごい」と舌を巻く。
「僕も頑張らなくちゃ、と思っていましたけど、それ以上にみんな頑張っていた。本当にタフでしたね。勝ちたい気持ちが強ければ、自然と体は動くものなんだと」
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