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Jリーグ 9年前

浦和が見せつけた確かな変化。川崎を圧倒したプレッシング。悲願のリーグタイトルへ

text by 藤江直人 photo by Dan Orlowitz, Getty Images

事前の狙いを実践できる強さ

川崎の大久保嘉人(左)と浦和の槙野智章(右)
川崎の大久保嘉人(左)と浦和の槙野智章(右)【写真:Getty Images】

 もう二度と悔しい思いを味わいたくはない。捲土重来を期して今年1月31日からの鹿児島・指宿合宿の途中から取り組み始めたのが、チーム全体が連動した前線からの激しいプレスだった。

 相手を完全に押し込んで何もさせず、かつ高い位置でボールを奪って素早く攻める。究極のスタイルをワントップの興梠慎三、シャドーの武藤と李忠成が率先して実践する。

 フロンターレ戦におけるミッションは、レッズにとって危険なパスを出すダブルボランチ、中村憲剛と大島僚太を機能不全に陥れることだった。試合後の公式会見で、指揮官が不敵な笑みを浮かべる。

「あまり危険ではない選手が、ボールを触る回数を増やす。今日の川崎は、2枚のセンターバックがボールを触る回数が非常に多かった。我々はそういった狙いを実践できる、いいチームになったということだ」

 中村と大島に強烈なプレッシャーをかけられ、あるいは縦パスを入れたところを狙われ続けた積み重ねとして、フロンターレは奈良竜樹とエドゥアルドの両センターバックへボールを下げる場面が目立った。

 パスの出どころを限定し、2人からの縦パスをボランチの阿部勇樹、最終ラインを統率する遠藤航らがことごとくインターセプトして再び攻撃を開始する。

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