浦和の好調を物語る数字「5.5」
ファーストステージのほぼ半分を終えた段階における、浦和レッズの変貌ぶりを物語る数字として「5.5」があげられる。8試合で浴びたシュートが計44本。つまり、1試合平均の被シュート数が「5.5」となる。
柏レイソルとの開幕戦こそ10本のシュートを許したが、残る7試合はすべてひと桁。アビスパ福岡との第3節からは、5試合連続で5本以下と相手チームの攻撃をほぼ完璧に封じ込めてきた。
迎えた4月24日。首位・川崎フロンターレのホーム、等々力陸上競技場に乗り込んだ大一番で許したシュートも6本。リーグ最多の18得点を誇るフロンターレ攻撃陣を、今シーズン初めて無得点に封じた。
試合も後半9分にMF武藤雄樹があげた値千金の一発を守り抜き、4試合目のクリーンシートを達成して首位に躍り出る。総失点5は鹿島アントラーズと並ぶリーグ最少タイだ。
スコア以上に、攻守両面でフロンターレを圧倒した余韻が残る試合後の取材エリア。ハリルジャパンでもゴールマウスを守る西川周作が、フィールドプレーヤーを称えながら胸を張った。
「自分たちが受けるシュート数が少ない理由が、今日の試合を見てもらった人にはわかると思う。自分のところにそれほど危険なシュートが飛んでこないというところに、みんなの寄せの速さや球際における強さというものが表れていると思う。後ろから見ていても、今日は前線からすごくいい守備ができたと思う」
唯一、冷や汗をかかされたのは前半40分。左サイドを抜け出したFW小林悠のクロスに、DF槙野智章の死角からゴール前へ飛び込んだMF田坂祐介がフリーで右足をヒットさせた場面だ。
もっとも、ミートできなかったボールは右ポストのわずか右を力なく通過していった。フロンターレが誇るゴールハンター、FW大久保嘉人も1本のシュートしか放てずに天を仰いだ。