デ・ブルイネは100億円の価値を証明できるか
今季のプレミアリーグでは、負傷で欠場する試合はありながらも23試合6得点9アシストと“まずまず”の結果を残しており、3試合に2得点というペースで得点に絡んでいる。
一方、今季のリーグ杯とFA杯では6試合で6得点4アシストを記録しているようにカップ戦の方を得意としているようだ。なお、この6試合で下位ディビジョンのチームはリーグ杯5回戦のハル・シティ(2部)のみで他5試合の対戦相手はプレミアリーグのチームである。
そのデ・ブルイネはパリ・サンジェルマン(PSG)とのベスト8でホーム、アウェイともに貴重なゴールを挙げており、シティの“CL男”としての予感を漂わせている。
この2試合でゴールを奪えたことやカップ戦で結果が出やすいことを「偶然」と言ってしまえばそれまでだが、PSG戦はアグエロが2ndレグで得意のPKを外すなど2試合でいずれも無得点に終わっていたところで、デ・ブルイネが得点を決めてシティはベスト4に進出している。
もちろんアグエロの活躍はシティにとって重要だが、エースが得点を奪えなかった時に代わりに得点を奪える選手がいるかいないかは大きな違いとなる。
そして、昨年夏に英国史上最高額となる5500万ポンド(当時レートで約103億円)で加入したデ・ブルイネはその一人に立候補しようとしているのだ。
ここまでデ・ブルイネが残した成績は確かにシティの戦力となっているが、現時点で100億円の価値を証明しているとは言い難い。カップ戦で結果を出しているとはいってもそれは国内での戦いのみで、CLではここまで3得点1アシストという結果だ。
もちろん、年齢から見た長期的な計画で獲得したという背景もあるだろうからすぐさま結果を求めすぎるのは尚早かもしれないが、100億円の移籍金で「まずまず」で終わってしまっては不十分だろう。
となれば、自らの価値を証明するためにはチームをクラブ史上初の決勝進出に導くほかない。“CL男”の誕生は単なる「予感」だったのか、それとも「確信」へと変わるのか。デ・ブルイネにとって、その答えを導き出す戦いが始まろうとしている。
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