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本田圭佑 9年前

本田は敗戦の戦犯か? ハンド献上は守備意識の現れ。監督も認めた質の高さと聡明さ

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ブロッキ監督も聡明さを高く評価

ブロッキ
ミランのクリスティアン・ブロッキ監督【写真:Getty Images】

 ポジションは中盤3人とのコンビネーションを意識。ホセ・マウリやユライ・クツカが中へと絞ればスペースへと流れ、ボールを呼び込みパスを出す。視野を確保し、SBが裏へと走ればミドルパスを狙い、またメネズやバッカがスペースへと走ればシンプルにボールを出す。特に前半、相手ゴール前まで到達したチャンスのほとんどは、本田を経由して生まれていたものだ。

 自らのパスが決定的な展開につながっていたのは後半も然りだ。特にDFのプレスをかわしてバッカへスルーパスを出し、最終的にメネズのゴールへつながった後半23分、そして前述のアディショナルタイムでのプレーは、バッカやメネズがミスしなければ追加点につながったであろうシーンだ。

 もっともブロッキ監督としては、本田にはもう少し前の位置でプレーして欲しかったようである。「ご想像の通り私はボナベントゥーラのように前方に残る選手を好む」と言った上で、「本田は少し深いポジションを取りすぎる」と語った。確かに前半21分のシュートはトップ下から前に仕掛けて行ったのちに放ったものだが、ああいったプレーは確かに後半少なくなっていた。

 その意味で、現状でトップ下のファーストチョイスはジャコモ・ボナベントゥーラということになる。だがその一方でブロッキ監督は、プレースタイルの違いを尊重し本田にボナベントゥーラと同じ動きを要求していなかった。「サイドから中へ入ってくる動きのセンスなど、彼にも特有の持ち味がある」と指揮官は語っていたが、杓子定規にシステムへと当てはめず、プレースタイルを自然に生かそうと考えている節はあるようである。

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