本田、痛恨のハンド献上。しかし本当に戦犯か
残念だった。トップ下での出場は、またも勝利には結びつかなかった。
エラス・ベローナ戦で、本田圭佑は4-3-1-2のトップ下として先発するチャンスを得た。
クリスティアン・ブロッキ新監督となってから3試合目にして初の試合出場で、3人目のトップ下だ。前半21分に強烈なミドルシュートを放ち、そのこぼれ球がジェレミー・メネズの先制ゴールを生んだ。しかし後半20分の決定的なシュートチャンスはフイにし、後半アディショナルタイムにゴール前でのハンドから献上したFKが直接入ってミランは負けた。
チームが敗れたので、結果から見れば本田も責められて仕方がないということになる。彼自身、「チームが勝ったら僕が勝たせたというふうに書いてもらえたら嬉しいなと思います」と語っていたので、この試合のことは誰よりも悔しく思っていることだろう。
しかし「トップ下本田で敗れた試合だ」と、戦犯とみなして断罪するのもまた冷静な見方ではない。試合終了直前のハンドのシーンだが、あの前で本田はカウンターに走り、カルロス・バッカの足元に正確なパスを通していた。バッカはそれをロストしミランは逆襲を喰らうのだが、本田はカバーの薄くなっていたところに急いで戻り、不運にもあのシーンへつながっている。
疲労の蓄積する試合の終盤に、攻撃的プレイヤーがDFの裏まで回りこみピンチを救おうとした場面だ。不用意だと責められるべきではない。ブロッキ監督もそんな本田のプレーの質を認め、試合の終盤まで使っていた。「体を張って闘い、しかも(頭の)聡明さを最後まで保ってプレーしてくれた数少ない選手だ。ここまで地元紙は本田が3番手に降格だなんだなどと書きたてたが、それは全く正しくない」と、試合後の会見で語っていた。
本田のトップ下としてのプレー自体も、決して悪いものではなかった。ボールロストも度々あったし、もっと良い内容の試合はあったから絶賛というわけにはいかない。ただ過去の2試合で、ミランが出来ていなかったものを彼はチームにもたらしていた。縦への展開である。