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PSG、CL準々決勝敗退で終焉した「カタール第一世代」。再構築のための大型補強は急務か

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

ブラン監督が犯した2つの采配ミス

パリ・サンジェルマンのローラン・ブラン監督
パリ・サンジェルマンのローラン・ブラン監督【写真:Getty Images】

 いくつかの敗因が挙げられる中で、ブラン監督の采配に問題があったと思われる点が2つある。

 まず、この対戦で、右サイドバックのセルジュ・オーリエを先発起用したことだ。シーズン序盤の彼なら、間違いなく現チームの右SB陣ではナンバー1であり、起用は当然だったといえる。しかし彼は2月にSNSでクラブやチームメイトについての悪質なジョークを流したことで3月20日までリザーブチームに降格処分となり、トップチームでは約2ヶ月間一切プレーしていなかった。

 シティ戦で彼を使う気なら、直前のリーグ戦で試せばよかったものの、約2ヶ月ぶりの実戦復帰がいきなりのCL準々決勝。普段の彼なら余裕で届く味方からのパスもアウトにするなど呼吸は合わず、わざとではないとはいえ、第1レグでは彼がクリアしたボールが相手ゴールのアシストになるなど足を引っ張りこそすれプラスにはなっていなかった。

 ブラン監督が試合後「彼を使ったことでサイド攻撃が活性化したのは良かった点」と語ったのも、自分の起用法への弁護にしか聞こえなかった。

 もう1点は、第2レグでの突然の奇策だ。ダビド・ルイス、マテュイディがそろって出場停止だったことを踏まえての策だろうが、これまで一度も実戦で試していない3バックシステムを導入したのだ。

 必勝がかかった時こそ、目をつぶっていてもお互いの動きがわかる戦い慣れたシステムが有効であることは、スポーツ界の定石でさえある。

 モッタが負傷退場したことで後半からは4バックに戻したが、ブラン監督自身も采配ミスを認めたのだから、本当に駄作だったのだ。

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