ネイマールがタトゥーした信条
ネイマールが再び、批判にさらされている。
順調にリーガ優勝、チャンピオンズリーグ2連覇を目指していたバルセロナが終盤に来て、まさかの急ブレーキ。宿敵レアル・マドリーとのクラシコをホームで落とし、さらにチャンピオンズリーグ準々決勝はアトレティコ・マドリーホームの2ndレグに敗れ、敗退。
急降下はそれだけに留まらなかった。リーガでは、カンプノウで戦いながらバレンシアに敗れ、首位は保ったものの、1ポイント差の中に3チームがひしめき、優勝の行方は分からなくなってしまった。
バルサ急変の戦犯とされたのがネイマールだった。相手ディフェンダーから挑発を受け、それにイライラし、自滅していく。敗戦した試合ではいずれも、そのパターンを繰り返した。さらにバレンシア戦では試合後にDFバラガンの頭を叩き、ロッカールームへ向かうトンネルではペットボトルを投げつけたことで、ネイマールの振る舞いが問題視された。
バルセロナのスポーツ紙「スポルト」が読者を対象にアンケートを行ったところ、62%の読者が「素行不良のネイマールを売却すべき」と答えたという。
ネイマールが批判されたのは、昨季、国王杯決勝でトリッキーなプレーを見せて、相手選手に対してリスペクトが足りないと批判されて以来のことだ。
ネイマールには自らのプレーの信条として、大切にしている2つの言葉がある。
“Ousadia e Alegria”「大胆さと歓び」というものだ。2013年6月、ネイマールはバルサ行きが決まると両足のアキレス腱付近に、2つの言葉をタトゥーしている。それまでもスパイクに刺繍していたものだが、『ヨーロッパに渡っても、自らのスタイルは変えたくない』というネイマールの強い意志がタトゥーには含まれていたのだった。
純粋に自らのスタイルを貫いていきたいのに、プレーを邪魔することだけを目的に、削ってきたりする選手がいる。それが許せず、イライラへとつながってしまう。ネイマールのプレーに対する信条、その強いこだわりが時には摩擦を引き起こすのではないか。
ネイマールが大切にしている2つの言葉について探っていきたい。