トップ下としての本田の役割は?
ブロッキも必死なのだろう。「このシステムの変更を嫌がっている声は、外野からのみ聞こえる。選手たちはみなこのシステムの変更を気にいっているのだ」と笑みを浮かべながら話すと、決定機創出が伴わなかったカルピ戦でのポゼッション記録についても「就任してから練習は13時間のみ。しかし今の段階で我々がポゼッションでリーグ記録を作り、長く練習してきたナポリを超えたということは素晴らしいことだ」とまで言い切っていた。
3月には失速したとはいえ、シニシャ・ミハイロビッチ前監督のもと良好にチームの形ができていたところを壊して、かつポジティブに選手たちを引っ張らなければならない。彼の立場も大変である。
さてブロッキの言葉を間に受けるとして、本田が起用される場合には、中盤のつなぎと前線に飛び出すインサイドMFとの連携を意識することが求められる、ということだろう。カルピ戦ではホセ・マウリが途中交代で入り、前線に飛び出す動きからサイドを作っていた。
これまでの2戦ではボナベントゥーラ、またボアテンクも、サイドに流れてプレーをしていた。無理にトップ下の位置には張らず、前線のスペースは空けてもいいという決まりにはなっているようである。4-4-2の右サイドハーフでプレーした時のように、サイドに流れて正確なクロスで味方のシュートチャンスを演出するという形にも持っていけるだろう。
そして前の2戦では中盤やDFの選手も中にパスを通せず、展開はスピードダウンしていた。そこで本田がパスをもらい、シンプルに周囲を動かしていくことができれば絶好のアピールとなるだろう。
もっとも本田もそういうプレーができたのは4-4-2の右サイドハーフとしてであり、シーズン前半トップ下で起用された時はうまく機能していなかった。その時と違うものを見せられるかどうかが勝負どころとなる。
(取材・文:神尾光臣)
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