快勝も満足せず。ある“こだわり”
先制ゴールが決まってから、シュトゥットガルトの勢いは削がれていく。疲労が溜まってはいても、総合力ではBVBが上だった。監督トーマス・トゥヘルは前半を「オープンな試合展開だった。時にオープンになり過ぎたね」と振り返ったが、「それからは我々のパス・スタイルを確かなものにした」と最終的には手応えを感じた。
45分。ムヒタリアンのシュートを、GKが弾いたところに、プリシッチが詰める。2-0。
後半に入ると、ドルトムントはカウンター主体に切り替えた。スコアを考えれば、無理をする必要はない。
そして57分。香川が左サイドからクロスを上げて、ラモスがヘディングでシュートを打つ。GKが弾いたところを、ムヒタリアンが詰める。3-0。
BVBが3点目を奪うと、シュトゥットガルトは運動量がガクッと落ちた。香川は「3点を取ったらもう勝負は決まった」と振り返る。
ドルトムントがシュトゥットガルトを3-0で下した。翌節のボルフスブルク戦までは、1週間の時間が空く。ようやく、連戦も終わりを迎えたのだ。
しかし、ここで落ち着いてしまうことはない。試合後に香川は、ある“こだわり”を口にした。
「パワーを含めて、スピードを含めて、トップスピードの中でどれだけやれるかっていうのをこだわってやっていきたいです」
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