重要なここ2戦、連続先発の香川。今節は?
HSV戦で香川は、ベンチスタートの可能性がある。それはネガティブな理由から来るものではない。香川は、10日のシャルケとのレヴィア・ダービー、14日のリバプールとの死闘と、ここ2試合を連続出場した。大一番となったリバプール戦での先発は、改めてトゥヘルの信頼を得た証である。
会見でトゥヘルは「怪我人はいない状態」と前置きした上で、2、3人の選手を入れ替えることを示唆した。先の2試合に連続して先発したのは、フンメルス、ソクラティス、そして香川の3人である。中2日でアウェイのヘルタ戦が控えていることを考えれば、疲労を考慮されてベンチからのスタートとなってもおかしくはない。
出場となれば、リバプール戦で見せたような積極的で安定したプレーで、少し混乱期にあるチームに落ち着きをもたらすことが求められそうだ。シャルケ戦では、味方に指示を出す場面が何度も見られた。苦境のチームを中心に立って引っ張っていく役割を、ここで担っても良いのかもしれない。リズムを生み出して、少しずつチームを上昇気流に乗せていく。
トゥヘルはHSVのことを「とても勤勉で、とても情熱的」と評して、同クラブとの試合を「挑戦」と言い表した。香川にとっても、欧州のトーナメントでの劇的な敗戦の後で「勤勉」かつ「情熱的」にチームをけん引することは、ひとつまた「挑戦」となるのではないだろうか。それは今後に向けてプラスになることはあっても、マイナスになることはないはずだ。
(取材・文:本田千尋)
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