ヴァーディーのビッグクラブ移籍は現実的でない
さあ、ヴァーディーの話をしよう。代表戦でも素晴らしいゴールを決めた。彼にとって今季は最高のシーズンだ。昨季は4ゴールだったが、今季の彼は、自信を持ってプレーすれば何かを成し遂げられることを証明した。
世界中で注目されているヴァーディーには移籍の噂も絶えない。だが、僕は現実的ではないと思う。彼は29歳だ。レスターが3000万ポンド(約46億円)と評価したとするなら、1年間活躍したからといっても、29歳の選手に他クラブがそれだけの金額を出すとは思えない。新しい契約も結んでいるよね。
さらに言えば、ビッグクラブで活躍できるのか不透明だ。レスターはほぼカウンターサッカーをしていて、すぐ彼にボールを出そうとしている。他のビッグクラブではそういう戦い方はしない。ボールを持って、ボールを支配しようとする。カウンターサッカーじゃないんだ。彼がマンチェスター・ユナイテッドやチェルシーでプレーしたとして、レスターと同じように効果的にやれるかどうかは分からないよ。
逆に22歳のハリー・ケインにはオファーが殺到するだろう。今年はスロースタートだったけど、ハードワークする姿勢や厳しい状況でもフィニッシュに持ち込める能力のおかげで、今年もまた本当に良いシーズンを過ごしている。スタイル的にもスペインやイタリアでも問題ない。
ケインがここまで育ったのは、若いころにレイトン・オリエントやワトフォードでプレーし、経験を積んだからだ。スパーズに戻ってきたときには十分に準備ができていたんだよ。日本には、フレンドリーマッチで時間を無駄にしているような18~19歳の選手が多過ぎる。そういう選手たちはJ3やJ2に行って、経験を積むべきだ。
もちろん国内リーグの問題はイングランドにもある。世界を見渡してみればドイツでも、イタリアやスペインでさえも、1つの共通点がある。リーグ内の選手の大半は自国選手だということだ。ある程度外国人選手もいるけど、外国人選手がリーグを支配することはない。