前半で2点のリードを奪うも…
悲劇と歓喜は紙一重だ。2016年4月14日のヨーロッパリーグ準々決勝、ボルシア・ドルトムントは2ndレグをアウェイでリバプールFCと戦う。7日の1stレグは1-1のドローで終えた。勝ち抜けのためにBVBは、アンフィールドでゴールを奪う必要がある。
そして試合開始後10分の内に、ドルトムントは2つのアウェイゴールを叩き込んだ。5分、ペナルティエリアの手前で、香川が左のカストロにパスを送る。カストロのパスにオーバメヤンがダイレクトでシュートを打つ。GKミニョレが弾いたボールを、ムヒタリヤンが押し込んだ。1-0。
9分には、カウンターからロイスがスルーパスを出す。右サイドから抜け出したオーバメヤンが冷静に決める。2-0。ロイスは「前半は良いプレーをした。早い段階でリードを奪った」と振り返る。
トップ下で先発した香川は、10日のレヴィア・ダービーの充実を、そのままアンフィールドに持ち込んだ。守備ではしっかりとプレスを掛け、身体のキレは良い。攻撃でも体を張って、不用意なボールロストをしない。
先制の場面でもそうだったが、バイタルではチームに変化とリズムを与える。36分、左サイドからオーバメヤンは、香川とロイスとワンツーを繰り返して、ゴールに迫った。
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