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ミランを苦しめ続ける“4-3-1-2”問題。学ばない迷惑会長によって迷走は続く

text by Keiske Horie photo by Getty Images

本田圭佑とジャコモ・ボナベントゥーラ
本田圭佑(左)とボナベントゥーラ(右)【写真:Getty Images】

 ミランは再び誤ちを繰り返すようだ。シニシャ・ミハイロビッチ監督が解任され、下部組織の指揮官であるクリスティアン・ブロッキ監督が暫定監督として就任。新監督はシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の希望である“4-3-1-2”の布陣へと回帰するとみられている。

 イタリア『ミランニュース.it』が14日「4-3-1-2という巨大な影」と報じたとおり、ミランは近年常に名誉会長のお気に入りの布陣という呪縛を受け続けてきた。今季もミハイロビッチ監督が開幕当初に同布陣に挑戦したものの、あっけなく頓挫し4-3-3、4-4-2への変更を余儀なくされた。

 黄金時代を築き上げたカルロ・アンチェロッティ監督の時代が2009年に終わり、後任のレオナルド監督は「4-2-ファンタジーア」と呼ばれる4-2-3-1(もしくは4-3-3)の布陣でチャンピオンズリーグ(CL)出場権を勝ち取った。しかし、直後にベルルスコーニ名誉会長との不仲で解任されている。

 後任のマッシミリアーノ・アッレグリ監督はケビン=プリンス・ボアテングをトップ下とする新たな4-3-1-2を発明したが、主力を大量に放出された。2012/2013シーズンにはステファン・エルシャーラウィを中心とした4-3-3でCLでバルセロナに2-0と伝説的な勝利を収め、奇跡的にCL出場権を獲得したものの、翌シーズンに再び4-3-1-2への回帰を余儀なくされたことでチームは崩れ、2014年に解任されている。

 ブロッキ新監督のもとで4-3-1-2に回帰することで、ミランは今季チームを牽引してきた本田とボナベントゥーラの同時起用をすることができない。ようやく築き上げたバランスを崩し、コッパ・イタリア決勝とヨーロッパリーグ(EL)出場権争いを戦えるのか。ミランに大きな不安が広がっている。

(文:Keiske Horie)

【了】

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