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Jリーグ 9年前

中村憲剛が見る川崎Fの新たな境地。厚みの増した選手層。悲願のタイトル獲得へ

text by 藤江直人

すべての試合で使い切っている交代枠

 6試合を終えた段階で、フルタイム出場を果たしているのは中村と、新加入で韓国代表の守護神チョン・ソンリョンの2人だけ。しかも、もっと注目されるべき変化があると中村は声を弾ませる。

「すべての試合で交代枠を使い切っているでしょう。いままでとはまったく違う現象だし、監督が信頼して出せるというか、戦える選手が増えてきた証拠だと思う。誰かがいなくなったら調子が狂うといういままでの課題が、ちょっとずつ克服されてきているのかなと。

 2列目もタイプの異なる選手が出てきているし、ここにきてみんなのコンディションが上がってきた。選択肢が増えたことで、監督としても楽しくてしょうがないんじゃないのかな」

 昨シーズンを振り返ってみれば、交代枠を使い切らずにタイムアップを迎えた試合が「15」を数えた。自身のイズムに「ウチの練習を積み重ねていけば、みんな上手くなる」と絶対の自信をもつ就任5年目の風間監督の指導のもと、中村の言葉通りに選手層は確実に厚くなっているわけだ。

 中村自身のコンディションのよさも際立っている。ヴァンフォーレ甲府との第4節では、実に5シーズンぶりとなる1試合2ゴールをゲット。2、3月度の月間MVPを初めて受賞した。

 3つのゴール以外にも2アシストをマーク。Jリーグの統計ではパス数、前方へのパス数、スルーパスの数などですべて1位を獲得し、受賞理由として「文句なしの選出」と称賛された。

「去年はリハビリを終えてから、ちょっとバタバタした感じでシーズンに入った感じでしたけど、今年に関してはけがもなく、普段の練習も休まずにしっかりとできているからですかね」

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