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Jリーグ 9年前

中村憲剛が見る川崎Fの新たな境地。厚みの増した選手層。悲願のタイトル獲得へ

川崎フロンターレが絶好調だ。4勝2分けと唯一の無敗をキープしてJ1の首位に立ち、看板である攻撃陣もリーグ最多の14得点を叩き出している。毎シーズンのように期待されながら、優勝の二文字と縁がなかったフロンターレに何が起こっているのか。2、3月度の月間MVPを獲得するなど、好調のチームの中心でひときわ輝きを放つ、キャプテンのMF中村憲剛の言葉をたどりながらその理由を探った。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人

リーグ首位も「課題」を口にするキャプテン

川崎フロンターレを牽引する中村憲剛
川崎フロンターレを牽引する中村憲剛【写真:Getty Images】

 ファーストステージの約3分の1を終えた段階ながら、順位表の一番上に「川崎フロンターレ」の名前が刻まれている。4勝2分けと唯一の無敗をキープし、総得点14もリーグ最多を数えている。

 7失点は鹿島アントラーズ、浦和レッズ、横浜F・マリノスよりも多いが、3試合でクリーンシートを達成。アントラーズ戦でも1失点と踏ん張った。7を数える得失点差も、18チーム中で最大となっている。

 すべての数字が、チームの好調ぶりを如実に物語っている。それでも、キャプテンのMF中村憲剛は試合後の取材エリアで、まるで判で押したかのように「課題」の二文字を繰り返し口にしてきた。

 後半アディショナルタイムのラストワンプレーで、FW大久保嘉人が劇的な決勝ゴールをマーク。サガン鳥栖を1‐0で下した10日の第6節後には、攻撃の単調さを指摘している。

「普通に右に出しますよという感じで右に出して、左に出しますという感じで左に出す。どちらに来るかわからないようなパス回しをしていない。そこに来るだろうと相手が思えば、ディフェンスもしやすい。要は相手の足を止めていない。そりゃあ苦労するわな」

 自身のJ1通算50ゴール目となる決勝弾をペナルティーエリアの外から叩き込み、名古屋グランパスから逆転勝利を奪った3月12日の第3節後には、チーム全体の淡泊さを苦戦の原因に求めた。

「詰めが甘いとこうなる。前半なんて相手が全然ボールを奪いに来ないし、ウチはどんどん侵入できる。それなのに開始早々に1点を取ったところでやめちゃって、相手に勇気を与えてしまった。はっきり言って、あのまま続けていたら2点、3点と入っていたはずですよ」

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