リーグ首位も「課題」を口にするキャプテン
ファーストステージの約3分の1を終えた段階ながら、順位表の一番上に「川崎フロンターレ」の名前が刻まれている。4勝2分けと唯一の無敗をキープし、総得点14もリーグ最多を数えている。
7失点は鹿島アントラーズ、浦和レッズ、横浜F・マリノスよりも多いが、3試合でクリーンシートを達成。アントラーズ戦でも1失点と踏ん張った。7を数える得失点差も、18チーム中で最大となっている。
すべての数字が、チームの好調ぶりを如実に物語っている。それでも、キャプテンのMF中村憲剛は試合後の取材エリアで、まるで判で押したかのように「課題」の二文字を繰り返し口にしてきた。
後半アディショナルタイムのラストワンプレーで、FW大久保嘉人が劇的な決勝ゴールをマーク。サガン鳥栖を1‐0で下した10日の第6節後には、攻撃の単調さを指摘している。
「普通に右に出しますよという感じで右に出して、左に出しますという感じで左に出す。どちらに来るかわからないようなパス回しをしていない。そこに来るだろうと相手が思えば、ディフェンスもしやすい。要は相手の足を止めていない。そりゃあ苦労するわな」
自身のJ1通算50ゴール目となる決勝弾をペナルティーエリアの外から叩き込み、名古屋グランパスから逆転勝利を奪った3月12日の第3節後には、チーム全体の淡泊さを苦戦の原因に求めた。
「詰めが甘いとこうなる。前半なんて相手が全然ボールを奪いに来ないし、ウチはどんどん侵入できる。それなのに開始早々に1点を取ったところでやめちゃって、相手に勇気を与えてしまった。はっきり言って、あのまま続けていたら2点、3点と入っていたはずですよ」