“フィニッシャー”香川に求められるゴール
今季リバプールが獲得の可能性を残しているタイトルはELのみとなっている。第1戦で見られたように、モチベーションは高い。引き過ぎず、アグレッシブにプレスを掛けられてドルトムントは苦しむ。前半戦でもそうだったが、依然としてBVBは、バイタルエリアに立てこもらず、中盤から積極的に守備をしてくる相手を苦手としているようだ。
また第1戦ではCBのデヤン・ロブレンとママドゥ・サコや、MFのジェームズ・ミルナー、エムレ・チャンに攻撃陣は苦しめられている。中盤でタメを作れず、ボールを奪ったとしても攻め急ぐ格好で、バイタルで前を向いたときのアイデアが足りなかった。
必ずゴールは必要であることと、攻撃の幅が必要であることを考えれば、トゥヘル監督も香川を見過ごすことは出来ないだろう。香川は2日のブレーメン戦、そしてシャルケ戦の2試合でゴールを決め、得点力と攻撃のアイデアを示した。
そこで、先発で起用されるか、途中交代で投入されるか、である。トゥヘルの起用法を振り返れば、リバプール戦はよりフィジカル的な要素が求められることを考えると、まずはカストロやギュンドアンが先発し、なかなか得点を奪えない場合にジョーカーとして起用される可能性がある。
ただ、得点を奪えなければ即敗退という状況なので、リバプール戦は最初から勝負を決めに行く必要がある。そう考えると、香川の周りをムヒタリヤンやギュンドアン、シャヒンといったファイター・タイプで固めての先発起用もあり得そうだ。フィニッシャーとしての香川を活かす。
トゥヘルによれば、シャルケ戦の試合後の時点でリバプール戦の先発メンバーは既に頭の中にあるのだという。
いずれにせよ、14日のアンフィールドで香川に求められるのはゴール、ただそれだけである。
(取材・文:本田千尋)
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