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セリエA 9年前

ミラン指揮官解任の真実。傀儡望む傲慢会長による背任に近い嫌がらせ、新監督は操り人形に

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

解任決定は副会長も知らず。名誉会長の配下に

ガッリアーニ
アドリアーノ・ガッリアーニ副会長【写真:Getty Images】

 そして9日、ミランはユベントスと対戦。セットプレーの守備のミスから失点し敗れたが、少なくとも60分間は互角以上に戦った。「今日は精神の面で、最近の試合と違うものが見られた。この日の開始から60分間のプレーをすれば、上位には肉薄できるしコッパ・イタリア決勝でも堂々とユベントスに戦えるだろう」。監督も手応えを感じていた。

 ところが2日後、ベルルスコーニ名誉会長はミハイロビッチ監督の解任を一方的に決断する。そしてそれは、ガッリアーニ副会長もあずかり知らぬ話だったというのだ。

 あるミラン番のベテラン記者(匿名とする)はこう語る。

「ガッリアーニはむしろ、ミハイロビッチにこう言っていたという。『安心してくれ、ユベントス戦ではいい試合をしたじゃないか。君の立場は大丈夫だ』と。ところがその一方で、ベルルスコーニは勝手にブロッキとガッリに話をつけた」

 11日の月曜日、ベルルスコーニ名誉会長はプリマベーラのブロッキ監督と、ミランの下部組織の技術主任であるフィリッポ・ガッリTDに連絡した。表向きは下部組織の事情を聴くということだったのだが、その場でブロッキ就任の決定がなされたのだという。同日夜、ガッリアーニはミラノ郊外の会長邸宅に呼ばれ、さらにはブロッキも招集されて夕食会が実施される。「ミハイロビッチが解任され、ブロッキが内部昇格。明日にも正式発表」と地元メディアで一報が出たのは、深夜のことだった。

「このことに、当時ローマの自宅へ戻っていたミハイロビッチは落胆した。12日、ガッリアーニは彼に連絡をつけようとして食事にも誘うが『話をすることはない』と面談を拒否。結局ミハイロビッチは夜にミラノへと移動し、近しい友人にだけ挨拶をして去った。もっともガッリアーニは所詮ベルルスコーニの配下。『逆立ちして頭で歩け』と言われたらそうせざるを得ない立場だ」(前出の記者)

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