攻守に高いパフォーマンスを見せたセルヒオ・ラモス
もちろん攻撃面だけではない。むしろこの試合でのラモスの高評価の要因は守備面にある。トータルスコア2-2のタイとなってから、ヴォルフスブルクはカウンターから反撃を試みた。しかし、その前にラモスが立ちはだかったことで結果につなげることができない。
90分を通して攻勢に出たマドリーを攻撃のスターターとして支えながら、守備でも2回のタックル、5回のインターセプト、7回のクリアボールを記録。守勢に回ったヴォルフスブルクのDF陣以上の数字を守備面でも残していた。
そのパフォーマンスにオプタのデータを基にしたレーティングは9.25という高い評価を与え、ハットトリックのロナウドの9.23を上回った。さらに同様にオプタのデータを基にした「パフォーマンススコア」でもロナウドの78点を上回る109点を記録。この試合のマン・オブ・ザ・マッチはセルヒオ・ラモスだったといえる。
最終ラインから最前線まで完璧に機能したチームのサポートを受けてクリスティアーノ・ロナウドはハットトリックを達成した。とはいえ、やはり最低3点が必要な一戦でその全てを叩き出すロナウドは凄まじい集中力と精神力、そして技術を持っていることを証明した。周囲が何を騒ごうとも、この選手の価値は100億円を超えて然るべきなのだろう。
結局、180分を通して3-2の逆転勝利を手に入れ、ベスト4進出を決めたレアル・マドリー。クラブ史上初の決勝トーナメントに挑戦したヴォルフスブルクは、1stレグでは的確なゲームプランで戦力差を覆す結果を得たが、2ndレグではピッチ上全てで最多優勝のマドリーが上回った。
(文:海老沢純一)
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