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100億の価値を証明したロナウド。そのハットを生んだレアルの戦法と真のMVPの存在

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

DF、中盤、前線。全てで完璧だったレアル

 クロースの2試合のスタッツを比較すると、1stレグでは84分間の出場で112回のボールタッチ、94本のパスを出しながらも作り出したチャンスはわずか1回。逆にカゼミーロが2回とわずかながら上回っていた。対して2ndレグではフル出場してボールタッチ96回にパス本数80回。1stレグを下回りながらもチャンスメイクの数では6回を記録して大きく増加した。

 マドリーの中盤が上手く機能していること、さらには早い時間帯での失点で恐怖心を抱いたのか、ヴォルフスブルクは徐々に中央の守備を固めるようになった。

 こうなると効いてくるのはベンゼマの存在。1stレグでは先発しながらも負傷によって41分に交代を強いられたが、2ndレグでは84分までプレー。センターFWの位置から右サイドのロナウドとポジションチェンジを繰り返し、パスやドリブル、シュートを繰り出す。

 中央を固めたいヴォルフスブルクだが、中央からサイドへ流れるベンゼマの動きも気になる。意識が左右に振られることでヴォルフスブルクの面々は徐々に心身を削られていった。

 そして、この2ndレグでハットトリックのロナウドよりも高い評価を得ていたのがCBのセルヒオ・ラモスだった。

 レアル・マドリーは引いて構えるヴォルフスブルクを相手にハーフウェイラインを超えるほどDFラインを高く設定。ラモスは、ビルドアップの要としてボールタッチ110回、パス88本と、ともにクロースを超える数字を記録。さらに2度とも枠に当てて得点には至らなかったものの、CKから空中戦の強さで相手ゴールを脅かした。

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