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ネイマール、PSG加入報道への疑問。現実味を欠くパリ移籍。魅力の乏しい国内リーグ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

ネイマールはこれからキャリア全盛を迎える選手

ネイマールは、メッシ、スアレスと3トップを組み、バルセロナで数々のタイトルを獲得している
ネイマールは、メッシ、スアレスと3トップを組み、バルセロナで数々のタイトルを獲得している【写真:Getty Images】

 ベッカムのような例は理想的だ。すでに30歳を超えていたイブラや、譲って28歳になりかけていたシウバもありとしよう。しかしこれからますます脂の乗ってくる24歳のネイマールが(ふたたび失礼ながら)リーグアンでプレーしたいと思うだろうか?

 フランスの一部のメディアは、バロンドール獲得を目標にしているネイマールはバルセロナではメッシやスアレスの影に隠れてスターになれない環境に不満を感じているため、自分がスターになれる場所を求めている、と報じているが、最強MSNの一員としてプレーすることはどんなに楽しいだろうかと想像してしまう第三者としては、それも理解しがたい。

 ラジオ・インターナショナル・ブラジルの特派員でPSG担当のエルシオは

「なんといっても国(ブラジル)ではネイマールがナンバー1スターだから、連日、彼の話題でもちきりだよ。ブラジルのファンたちは、ネイマールがPSGに来るとは思っていない。最近ブラジル人選手が増えたおかげでPSGの知名度も上がってきたとはいえ、格としてはバルサとは比べものにならないからね。私自身もこの話には懐疑的だ」

 と話していた。

 同じくポルトガル語圏ということでブラジル人選手をフォローしているポルトガルのラジオ局のマルコは

「ネイマールが来ればファンにとっても自分たちメディアにとっても素晴らしいことだ。可能性があるとすれば、脱税問題がどう展開するかじゃないか。スペイン当局の追及の手を逃れるために国を変える可能性はなくはない」という意見だった。

 地元パリジャン紙の筆頭PSG番、ドミニクは

「単なる噂レベルの話だとは思わない。あくまで個人的な意見だが、現実的に移籍の可能性はないわけではないと思っている」と言っている。

 スポーツ選手なら、その競技で最大限のチャレンジを堪能できる場所でプレーすることを無条件に選ぶに違いない、という考えは万国共通でないことは確かのようだが、それでもエッフェル塔のエンブレムがついたシャツをネイマールが身につける姿は、現実的には想像できないのであった。

(文:小川由紀子)

【了】

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