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ネイマール、PSG加入報道への疑問。現実味を欠くパリ移籍。魅力の乏しい国内リーグ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

着実な補強を進めてきたPSG

錚々たる面々が揃うPSG
錚々たる面々が揃うPSG【写真:Getty Images】

 そして翌12-13シーズンは、世界的にPSGの知名度を上げる戦略を敢行。その目玉として白羽の矢が立てられたのがイブラヒモビッチだった。彼の名前とともに、PSGの名前は世界中のメディアに上り、狙いどおり絶大な宣伝効果を上げた。

 同時に、当時世界最高のDFと言われたチアゴ・シウバ、無名の逸材ヴェッラッティらを獲得。さらに冬のメルカートでは、以前から目をつけていたルーカスに加えて、サッカー界のスーパースター、デイビッド・ベッカムを加入させるという仰天移籍を成功させ、その後の試合はホーム、アウェイとも全試合満員御礼という前代未聞の大フィーバーとなった。

 計画どおりにリーグタイトルも獲得すると、翌シーズンからは、チーム力を本物にするための真の補強の時期に入る。

 13-14シーズンはカバーニ、マルキーニョス、14-15シーズンはダビド・ルイス、そして今季はアンヘル・ディ・マリアと、イブラやベッカム並のメディア的インパクトはないが、確実にチーム力を底上げする実力派の獲得に焦点を当てたのだった。

 そうして国内で4連覇達成と無敵艦隊に成長したPSGがいま求めているのは、クラブの格をもう一段上げてくれる、いわばバロンドール級のスーパースターだ。

 その筆頭候補に挙がっていたのが前述のロナウドだったが、レアルのペレス会長は公にロナウド放出の可能性をシャットアウトし、本人もマドリーを去る気はないと発言している。

 そこで、新たなナンバー1ターゲットとして浮上したのがネイマールだった。

 代理人のリベイロ氏はルーカスも担当し、すでにアル・ケライフィ会長やPSGの幹部陣とはファーストネームで呼び合う間柄。交渉もスムーズだ。

 ユース時代から一緒にプレーしてきた親友ルーカスもネイマールを熱心にくどき、チアゴ・シウバも「代表で顔を合わせたときにPSG入りを勧めた」とインタビューで明かしている。

 しかし「現在24歳と、まだまだこれから飛躍するネイマールが、いくらパリでの暮らしに憧れるからといってリーグアンでプレーしたいと思うだろうか?」というのは、失礼ながら、おそらく筆者のみならず、熱烈なリーグアンサポーター以外の人なら誰もが抱く疑問だろう。

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