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香川真司 9年前

香川が繰り返す「しっかりと」。冷静さと集中力、鮮やかなループ弾を生む“キーワード”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

プレーと結果で示した香川

 21分、香川からのロングパスを右サイドの高い位置で受けたギンターが、ダイレクトで中に折り返す。ライトナーが胸でトラップしてシュートを打つが、戻ったホイビェルグにブロックされる。

「しっかりと試合に入ることを意識しましたし、集中して試合ができた」

 結果やプレーで示すしかない。出場機会のなかった7日のリバプール戦から「しっかりと」切り替えて、香川はレヴィア・ダービーに入った。ピッチ上の気力の充実は、前半戦を思い起こさせる。

 そして49分。ライトナーとのワンツーから、ペナルティエリアに入るか入らないかのところで、香川がループを打つ。ボールは速めの弧を描いて、ネットに叩きつけられた。1-0。

「しっかりと冷静に試合に入れていましたから、ああいう判断ができたと思います。しっかりと試合に集中して入れたから、ああいうゴールが生まれたと思います」

 香川は、プレーと結果で示した。

 しかし喜びも束の間、51分、同点に追い付かれてしまう。カイサラの右からの折り返しを、ビュルキが弾いたところを、サネが詰める。1-1。

 後半開始直後に、フンメルスに代わってムヒタリアンが入る。リバプール戦を見据えた交代だろう。ムヒタリアンは右サイドにポジションを取り、ドルトムントは左右非対称の形を取った。そこで、少し混乱が生まれたのかもしれない。

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