疲労はピークに? 低調なネイマールの状態
特に、ここ3試合での状態が気になるのがネイマール。この試合のネイマールのスタッツを見ると、ボールタッチ76回、パス51本、チャンスメイク1回、1on1チャレンジ4回、シュート数2本うち枠内1本。特に1on1は1度も勝利できず、全くといっていいほど攻撃に絡むことができなかった。
データサイト『Who Scored.com』のレーティングで、ここ最近で最も高評価だった3月16日のCLアーセナル戦のスタッツを見ると、ボールタッチ89回、パス63本、チャンスメイク6回、1on1チャレンジ10回、シュート数3本うち枠内3本、そして1得点。すべての面でクオリティの違いを見せつけていた。
もちろん長いシーズンには浮き沈みもあり、春先は心身ともに疲労を強く感じる時期でもある。特に今季は日本への遠征やブラジル代表での試合、ピッチ外での騒動に加えてメッシが負傷により戦線を離脱していた序盤には完全にバルセロナの中心人物として攻撃を牽引してチームを支えていただけに、今が疲労のピークでもあるだろう。
それでも試合は待ってはくれない。13日にはアトレティコとのCLベスト8の2ndレグがアウェイで行われる。今季のバルセロナが88/89、89/90シーズンのACミラン以来となる欧州連覇、そしてリーガ、コパ含めた3冠連覇は“MSN”の力が100%で揃わなければ不可能である。
レベルが高すぎるが故に代わりを見つけることができないこの3トップは、最大の武器にして最大の悩みどころともなってしまっているのかもしれない。
(文:海老沢純一)
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