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批判続くレアル10番。“現地報道”は正しいのか? 自らの目で見るべきハメスの奮起と献身性

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

繰り返されるネガティブ報道を信じるべきか

ハメス・ロドリゲス
現地紙の批判の的となるハメス【写真:Getty Images】

 もちろん、これだけの活躍が出来た要因には相手がエイバルだったことも挙げられる。エイバルというクラブは「キックオフの笛から全力で前へ攻める」というスタイルを貫いており、それはエイバルの街に根付くアイデンティティにもつながっているという。

 元来、マドリーはカウンターを主とするチームであり、クリスティアーノ・ロナウドら攻撃陣は長い距離のランニングから得点を奪うことを得意としている。エイバルというチームはマドリーにとって自らの武器を発揮しやすい相手だった。

 ただ、そういった事情を抜きにしても、この日のハメスのパフォーマンスは多くの批判を否定するのに充分なものだった。むしろ、計10回のタックルのうち6回は後半に記録している。格下と見られるチームを相手に、前半で4点を奪った後であれば手を抜いてもおかしくない場面で、ハメスはより守備への意識を高めてプレーしていた。

 この試合でのパフォーマンスをジダンがどう評価するかはわからない。また、純粋なポジション争いの末に出場機会が限られるならば自らのキャリアのためにも移籍を決断することも悪いことではない。

 日本では、『地元紙によると』という報道形態が蔓延し、良いことも悪いことも「現地メディアが伝えているから正しい」という考え方が根強い。しかし、スペインで行われる試合もリアルタイムで手軽に観戦できる時代だからこそ、自らの目で見て自らの意見でチームや選手を語らなければならない時代が来ているはずだ。

(文:海老沢純一)

【了】

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