懲罰合宿明けのミラン、敗戦なら指揮官は解任?
だが、今回の相手はユベントス。相手を圧倒する攻撃力を持ちながらも、守備の際には容赦なく引いてガチガチに自陣を固めることも厭わない。戦術家のマッシミリアーノ・アレグリ監督は緻密に相手のプレーを研究しながら、細かく潰してくる。8日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで本田は「ユーベは典型的なイタリアのチーム」と語っていたが、こういった部分を指してのことだろう。
相手は3バックが濃厚だ。本田が右に構えれば左ウイングバックのアレックス・サンドロが付いてくる。一方で内側に絞ればポール・ポグバがプレスに手を貸す。外側でも内側でも、本田の動きを緻密に消しにかかるだろう。
そんなチームに対し、重要なのは駆け引きだ。「相手を支配して勝つ」というシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の嗜好はさておき、現実的にミランとしては守備を固めてカウンター主体で攻めたいところ。うまく相手にイニシアチブを譲りわたし、攻めに掛かってきた裏を攻略したい。そういう形に持っていけば、本田の臨機応変な攻撃面での動きはカウンターで生きることになる。
ミランは、懲罰合宿明けの一戦だ。ユーベに無様な破れ方をしたらミハイロビッチ監督は解任とも噂されている。しかし同監督は、近年のミランにないハードワークと一体感をチームにもたらした。ユーベ戦攻略の鍵はそこにある。監督から厚い信頼を受けた一人として、本の方向性の正しさをアピールできるか。本田にとっても頑張りどころである。
(取材・文:神尾光臣)
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