強豪チームが相次いでタイ近隣国へ遠征。大企業の思惑
ほかにも、年明けからタイのサッカー界には興味深い動きが見られた。まず、シーズンオフにブリーラムユナイテッドとムアントンユナイテッドという強豪チームが、相次いでタイの近隣国へ遠征したのだ。
昨季のリーグ戦、FAカップ、リーグカップを制したブリーラムユナイテッドは1月23日にカンボジアの首都プノンペンでカンボジアオールスターズと、同31日にはラオスの首都ビエンチャンでラオスオールスターズと対戦した。
昨季2位のムアントンユナイテッドは1月16日にプノンペンでカンボジアオールスターズと、同23日にはベトナム南部のビンズオンでレ・コン・ビン擁する昨年のVリーグ覇者べカメックス・ビンズオンと親善試合を行った。
結果をまとめると、ブリーラムとカンボジアオールスターズとの試合は2対2のまま90分を終え、PK戦の末、カンボジアオールスターズが勝利した。ラオスオールスターズとの試合は3対1でブリーラムが勝利している。
ムアントンはカンボジアオールスターズとの試合を4対3で落とすと、ビンズオンにも2対1で敗れ、力の差を見せつけるという結果にはならなかったが、ブリーラム、ムアントンとも地元の子供たちを対象にサッカークリニックを開く等、各地で交流を深めていた。
今回の遠征には、両チームのスポンサーであり、遠征にも協賛した大企業の思惑も透けて見えた。
ムアントンの本拠地の名称にも付くSCG(サイアム・セメント・グループ)は、セメント、石油化学、製紙など多角的に事業を手掛けるタイの大企業だ。ブリーラムのスポンサーでもあるタイビバレッジは、タイへ旅行に来た人なら一度は見たことがあるかもしれないビール“ビアチャーン”で有名なタイの大手飲料メーカー。同社はブリーラムのホームスタジアムに隣接するサーキット場の命名権を取得するなど関係が深い。