無失点だが、最終予選に向け守備には不安
7勝1分の勝ち点22、総得点27、失点0。これが日本代表の2018年ロシアW杯アジア2次予選E組の最終結果だ。アジア全体を見ても、FIFAランキングトップのイランがD組でトルクメニスタンとオマーンに2引き分け、2015年アジアカップ王者・オーストラリアもB組でヨルダンに1敗を喫しており、全勝だったのはG組を首位通過した韓国だけ。日本は隣国に次ぐ好成績を残したと言える。
昨年6月の初戦・シンガポール戦(埼玉)をスコアレスで引き分けた時はチームに暗雲が漂ったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督と選手たちの信頼関係が深まるにつれて、戦い方や選手起用に臨機応変さや自由度が増していった。
3月に埼玉で行われたアフガニスタン・シリアのラスト2連戦では、4-4-2や4-3-3のフォーメーションにトライするなど、戦術的バリエーションを増やそうという指揮官の姿勢も強く感じられた。
就任からずっと4-2-3-1の布陣にこだわり、固定メンバーを使い続けたアルベルト・ザッケローニ監督(現北京国安)に比べれば、ハリルホジッチ監督は柔軟性のあるマネージメントをしているのではないか。
そんな中、前述の通り、守備陣は無失点で2次予選を終えた。だが、シリア戦のリスクマネージメントの悪さは目を覆わんばかりだった。
「カウンターをこんなに食らうのは絶対にダメですし、褒められるわけではないんですけど、勝った試合でこの課題が出たのがよかった」と本田圭佑(ミラン)は前向きに語ったが、守備陣を統率する吉田麻也(サウサンプトン)は「ラインコントロールにしても、リスクマメ―ジメントにしても、カウンターの守備に対しても、あまりにも雑な部分が多かった。僕を含めてイージーミスが多かった」と反省しきりだった。
最終予選になれば相手が強くなるだけに、この不安定さでは何点取られるか分からない。守備陣のレベルアップは日本にとって最重要テーマの1つなのだ。