調子の上がらないリバプール。ドルトムントが優位か
リバプールはリーグ戦で9位と調子が今ひとつである。前節のトッテナム戦でも、クロップの持ち味であるプレッシング、ゲーゲンプレッシングが機能していたとは言い難く、負傷離脱者も多い。
一方でドルトムントはトゥヘルによってポゼッションが加えられ、クロップが率いた昨季とは異なるサッカーを展開している。後半戦に入って未だ無敗であることを考えても、BVBが優位に試合を進めるのではないだろうか。
そしてリバプール戦で香川が先発出場するかどうかだが、少し気になるのは、5日の練習で最後のメニューとなったミニゲームに、バイグルとギュンドアンと香川の3人がフリーマンで入ったことだ。前半戦でトゥヘルが主に用いた[4-3-3]の中盤でコンビを組んだ3人である。
もちろん後半戦に入ってからトゥヘルは[3バック + 2シャドー]という新布陣にトライしており、またギュンドアンは負傷離脱から明けて間もない。しかしトゥヘルには、復帰したばかりのヌリ・シャヒンを2月18日のELポルト戦で即先発起用した“実績”があるので、この香川、ギュンドアン、バイグルの3人がリバプール戦で先発起用される可能性はありそうだ。
香川のコンディションは良い。インサイドハーフにしろ2シャドーにしろ、出場となれば、2日のブレーメン戦で同点ゴールを決めたような、何か決定的な仕事が求められるところである。
ポルト戦でもトッテナム戦でも先勝したことで、ドルトムントは2ndレグを優位に進められることとなった。対リバプール戦の1stレグでのチームの重要な勝利に貢献することで、日本代表のシリア戦からブレーメン戦と続く「勢い」と「流れ」を、さらに先に繋げていけるようなプレーを期待したい。
つまり、師の恩にゴールで報いる。それが、香川の可能性をまた拡げることにも繋がるはずだ。
(取材・文:本田千尋)
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