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Jリーグ 9年前

浦和、アジア王者・広州恒大からの勝利を呼んだ2つのキーワード。“失敗”を結果に繋げた赤き血のイレブン

text by 今関飛駒 photo by Dan Orlowitz , Getty Images

相手の個を上回った浦和のチーム力

パウリーニョ
ブラジル代表の経験も豊富な広州恒大のパウリーニョ【写真:ダン・オロウィッツ】

 では、昨年はグループステージで敗退した浦和がアジア王者に勝つことができた要因は何なのだろうか。試合後に選手たちが語った言葉に、2つのキーワードが隠されていた。

 1つは『チーム力』だ。宇賀神友弥は「外国人選手に対して個だけだと上回られてしまうので、ボールが入ったときにコンパクトにするだとか、チームとして戦う部分はかなり意識高くできた」と振り返った。

 また、遠藤航も「外国人選手の個の能力はずば抜けてると思いますけど、中国人の選手もパスだったり1対1の強さだったり良い選手が多いという印象はある。ただ、うちらもその個に負けないくらいのチーム力や個の強さというのも意識していますし、まずは1対1で負けないことを今日はやった」と自信を覗かせた。

 この日の広州恒大には4人の外国人選手がプレーしていたが、浦和にも優れた外国人選手がいることを忘れてはならない。元スロベニア代表のズラタンは、「彼らに対して僕は多大なリスペクトをしている」としながらも、チーム力で勝っていたことが勝因だと語っている。

「ACLを2回も優勝しているという結果を得たチームだが、今日に関して言えば我々の方が上回っていたのは間違いないし、それに値する戦いができた。そして、我々はサッカーが個人技ではなくチームの組織が一番重要であることを証明することができた。今回の結果を含めて、ACLで十分な結果を出すことができた」

 彼らの口から出た言葉はみな、『個で上回る相手に対してチーム力で戦う』ということだった。実際、試合中にもドリブルを仕掛けてきたパウリーニョに対して3人掛かりでボールを奪うシーンも見られた。1人の選手に対する守備に多くの人数をかければ他の選手がフリーになるが、周りの選手が上手くカバーリングし、何度も攻撃の芽を摘んでいた。

 J・マルティネスとマッチアップした遠藤が、「パスの出し手のボールの出し方が読みやすかった。味方も上手くコースを切ってくれてたので、インターセプトを狙うシーンもあったから個人で守ったというわけではないです」と話したことにも繋がる。

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