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Jリーグ 9年前

“打たせる”守備も一つのプラン。被シュート数から見る、Jクラブの守備スタイル【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 海老沢純一 photo by Getty Images

“フィッカデンティ効果”か。鳥栖が見せた変化

【図2】2016年J1リーグ1stステージ第4節までの各クラブの被シュート数、失点数を図示化したもの。縦軸が失点数(上にいけばいくほど失点が少ない)、横軸が被シュート数(右にいけばいくほど被シュート数が少ない)。十字の線は平均を示す。
【図2】2016年J1リーグ1stステージ第4節までの各クラブの被シュート数、失点数を図示化したもの。縦軸が失点数(上にいけばいくほど失点が少ない)、横軸が被シュート数(右にいけばいくほど被シュート数が少ない)。十字の線は平均を示す。

 代表ウィークによる休止前の第4節までの結果から庄司氏が分析したものが図2だ。まず最も大きな変化を見せたのが鳥栖。鳥栖は昨季、被シュート数も失点数も平均より多いゾーンにいたが、今季は真逆のともに少ないゾーンに食い込んでいる。

 これは、やはり守備に深い文化を持つイタリア人指揮官であるフィッカデンティ監督の就任が大きな影響を与えているのだろう。2014、15年の2シーズンでFC東京を堅守のチームに変えた指導力は鳥栖でも健在といえる。

 そのフィッカデンティ監督によって守備を鍛えられたFC東京、さらに浦和、鹿島、横浜FMは変わらず強固な守備を誇っている。浦和、鹿島、横浜FMは昨季から同じ監督を継続させているチームであるため、今季も上位で終える可能性は高い。FC東京は城福監督が“フィッカデンティの遺産”をうまく引き継ぎ続けられるかが焦点となる。

 対して、昨季より厳しい状況となっているのが湘南、柏、新潟の3チーム。湘南と柏に関しては、鳥栖とは逆に被シュート数も失点数も少ないゾーンから、ともに多いゾーンへと下がってしまっている。新潟は、昨季は被シュート数が少なかったが今季は平均より多いゾーンへ。第4節時点で最も失点の多いチームとなっている。

 シーズン終盤の残留争いに加わらないためには、1日も早く守備組織を改善しなければならないだろう。

 第5節で浦和に抜かれ2位となった川崎Fだが、被シュート数も失点数も立ち位置は昨季とほぼ同じ位置。“風間イズム”が完璧に浸透している結果ともいえそうだが、このまま終盤までトップを争うためには失点を減らせるかが鍵となるだろう。

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