得点からわずか10分で退場。トーレスの悪癖
そして、25分にはコケのアシストを受けたフェルナンド・トーレスが1点を奪う。このゴールシーンには、なぜアトレティコが“弱者のサッカー”と呼ばれず、シメオネ監督が批判ではなく称賛を浴びているかがわかる。
アトレティコは、強烈なプレッシングと速攻を武器としながらも、バルサと同じくスペインのチームらしいパス精度と創造性を兼ね備えている。それこそが、長く続くかと思われたリーガエスパニョーラの“2強時代”をわずか数年で崩し、“3強”といわれるまでに至った要因だろう。
ここまでゲームプランが完璧にはまっていたアトレティコだが、シメオネ監督の計算を狂わせたのは、またしても「ファウルトラブル」だった。
25分に先制ゴールを決めたフェルナンド・トーレスだったが、直後の29分に左サイドから中へ切り込んできたネイマールの足をかけてイエローカード。このプレーは、シメオネ監督が求めるプレスやチェイスとは異なる軽率なもの。
そして、35分にはビルドアップをスタートしたマスチェラーノからパスを受けたブスケツに対してタックルを仕掛けて2枚目。ゴールからわずか10分後にはピッチを去ることとなってしまった。
ブスケツが一瞬コントロールを誤り、ボールを足から離したことで「行ける」と思ったのだろうが、やはり1枚もらっていること、リードしていることを考えると無意味なタックルだったといえる。度々顔を覗かせるトーレスの悪い面がまたしても出てしまった。
素晴らしいシュートを決めたと思えば軽率なプレーをする…こういった展開は過去にも何度か見られた。いわば“トーレス劇場”だ。
このカードでは、1月30日に行われたリーガエスパニョーラ第21節でもフィリペ・ルイスとディエゴ・ゴディンが退場。2試合連続でアトレティコは数的不利の状況に陥ることとなった。