岡崎は「日本サッカー史上最高の選手」
とりわけ岡崎のすごさは、「すごさを感じられないところが凄い」と笑う。「岡ちゃんだけじゃなく、チーム全体に言えることですが、相手にとって嫌な所、嫌な所をついてくる。アクションが1回だけでなく、2~3回続けられるところが凄い」と驚嘆した。
リーグ戦6試合を残した時点で、岡崎は2位のトッテナムに勝ち点差7をつけて首位をひた走る今季絶好調のレスターで定位置を奪い、30試合出場して5得点。さらに数字には表れないものの、前線からのプレッシングや自陣まで戻ってのトラッキングなど、貢献度の高さはピカ一だ。これらについては、地元メディアや解説者、さらに同僚である現役選手たちが「影の功労者」として度々「オカザキ」の名前を挙げていることからも明らかである。
普段から吉田は、ブログやメディアで愛嬌のある岡崎をいじりまくっている。先日の試合前も、互いの練習を終えてトンネルに引き揚げる際には、長身の吉田が公称174センチの岡崎の肩を抱き、どちらが年上か分からないくらいだった。
しかしいざ口を開けば、尊敬の言葉ばかりが並んだ。さらに最後には、先月29日の日本代表の対シリア戦で国際Aマッチ100試合出場を果たした偉大な先輩を次のように形容した。
「まあ日本人の中で…なんて言ったらいいんだろうなぁ。日本サッカー史上最高の選手になりつつあるんじゃない? これで優勝したら、誰も何も言えない」。
「日本人歴代最高選手」という称号の可能性。吉田はそれほど岡崎を評価している。正直、その是非については分からない。しかしながら、もしレスターがリーグ制覇を果たし、もしミラクルチームの立役者の一人となれば…。
今後は、最低でもイングランド国内では、誰もが岡崎を日本人ナンバーワンプレーヤーと評価していくのは間違いない。答えは、わずかそこまで近づいている。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三)
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