大番狂わせへのカギを握るガイタン
また、ユベントス戦でも見られたように、現在のバイエルンはカウンターに弱みを抱えている。特にDFラインはスピードのある相手攻撃陣への対応に苦戦している。
ベンフィカは、今季ジョナスとミトログルの2トップが爆発的な得点力を発揮。国内リーグではジョナスが30得点、ミトログルが18得点を記録。チーム総得点では2位のスポルティングに20得点差をつける76得点を記録している。
しかし、このバイエルン戦ではスピードに乗ったカウンターを狙うためにミトログルに代えてラウール・ヒメネスが起用される可能性もあるだろう。Who Scored.comのスカウティングでは「カウンターで脅威を与える」との記述もある。
そして、キーマンとなるのは左ウイングを務める背番号10、ニコラス・ガイタンだ。爆発的なスピードとキレのあるドリブルはバイエルンの守備陣を相手にしても十分脅威を与える存在となる。
今季のCLでベンフィカは、アトレティコ・マドリーとゼニトに対してアウェイで勝利を収めている。さらに支配率ではアトレティコ戦が39.7%、ゼニト戦が43.9%と下回りながらもスコアはともに2-1。ガイタンはこの両試合で同点となるゴールを決める活躍を見せた。
バイエルンの守備網を崩すためには、このガイタンの活躍は不可欠となる。逆に、バイエルンにとってはガイタンからのカウンターを要警戒となるだろう。
一般的にCLでは2ndレグをホームで戦うチームが有利といわれるが、ベンフィカがホームに帰る前に1stレグで散ってしまってはその通説も無意味となる。
リスボンでの2ndレグが消化試合にならないためにも完璧なゲームプラン立て、完璧なパフォーマンスで遂行しなければならない。
(文:海老沢純一)
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