大事になってくるコンディションの記録
陸上競技や水泳ならタイムという体の変化を知る術があるが、タイムを競わない競技はたくさんある。サッカーもそのひとつだ。「サッカーはタイムで評価するような明確な指標がありません。身体のキレがなくなる、プレーに身体的な余裕がなくなる、ボールを追いかけるのがつらくなった、バテやすく余力がないと思ったら気をつけて欲しい」
身体機能の向上と技術のアップにハードトレーニングが必要不可欠。だが、体の回復がなければレベルアップが見込めないだけでなく、パフォーマンスも低下する。その状態が続けばオーバートレーニング症候群になってしまう。
だからこそオーバートレーニング症候群を避けるために少なくともコンディションを記録し、回復力を注視できるように心がけたい。オーバートレーニング症候群になってしまったら、休息こそが最大の良薬だ。
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川原貴(かわはらたかし)
内科医。現在、国立スポーツ科学センターのセンター長を務める。元サッカー日本代表の市川大祐を診断。オーバートレーニング症候群研究の第一人者である。