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レアルはどのようにバルサに勝ったのか。明暗分けた中盤。ジダンが知る“マケレレ問題”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

大舞台で自らの能力を示したジダン

ジネディーヌ・ジダン
ジダン監督は最高の舞台で自らの実力を証明した【写真:Getty Images】

 それでも先制したのはバルサ。56分にCKからピケが決めて1-0。しかし、この日のマドリーは先制点を許しても気持ちが切れることはなかった。直後の61分にはベンゼマが巧く決めて1-1。その後、セルヒオ・ラモスが退場を喫して数的不利に陥りながらも85分にはクリスティアーノ・ロナウドが決めて2-1。

 バルサが普段通りのサッカーを狙って試合に入ったのに対して、マドリーは理想を捨てて結果のみを求めたゲームプランを立てた。そして、バルサは90分間全くといっていいほど“自らのサッカー”ができず、逆にレアルはビハインドを背負っても数的不利でも狙い通りのサッカーを遂行して敵地での勝ち点3を手に入れた。

 ただ、バルサにとってボールを支配するスタイルは現在のメンバーで勝利を得るために最も適したゲームプランであることは事実。この一戦に関しては、プランを完璧に遂行できたのがマドリーだった。

 サッカーで何よりも重要なのは、理想を体現することではなく指揮官の立てたゲームプランを体現できるか否かということ。そして、監督の能力評価はそのゲームプランが的確なものか、そのゲームプランを選手たちに実行させる指導力はあるのか、という点で下される。

 ジネディーヌ・ジダン監督は、このクラシコという舞台でその両方を備えていることを証明してみせた。

(文:海老沢純一)

【了】

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