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サントスFC、セビージャら4クラブが制裁対象に。FIFAが排除を進める、投資ファンドの影響力

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

投資ファンド等が想定される「第三者」

 まず「第三者」に該当するのは誰かについて触れたい。FIFAは「第三者によるオーナーシップ」は以下の状況だと定義している。

「フットボールクラブではない自然人(physical person)および法人が、ある選手が将来移籍する際に生じる額の分け前を受け取るべく、プロ選手の経済権に投資している状況」

 昨今のサッカー界が置かれた状況を鑑みると、これに妥当するケースで最も多いのは、投資ファンドや投資家が選手の経済権に投資する状況だと考えられる。

 投資ファンドが経済権に投資するモデルは、選手Aの獲得を狙うも資金不足の状態にあるクラブが、選手Aの経済権を一部譲与することと引き換えに、投資ファンドに費用補填をしてもらう、というものだ。

 このような状況をFIFAでは「第三者による経済権の保有(TPO:Third-party ownership of players’ economic rights)」と呼び、先述の条項でこれを禁止している。

 投資サイドとしては、TPOによって選手の獲得資金を支援し経済権を獲得することで、その選手が将来他クラブに移籍した際に、移籍金の一定割合を得て投資のリターンを得ることができる。

 クラブは不足分の資金が補填でき、投資ファンド等は経済権に投資する。一見すると両者はWIN-WINの関係を築いているように思える。

 だがFIFAは、このTPOをサッカーにとって有害なものと見なし、2014年にこれを禁止するという決定を下した。FIFAがこのような判断に到ったのはなぜだろうか。

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