FIFAが問題視する「第三者」の介入
3月29日、FIFAは「第三者による選手の経済権保有」等に関する違反があったとして、サントス(ブラジル)、セビージャ(スペイン)、Kシント=トロイデン(ベルギー)、トゥエンテ(オランダ)の4クラブに対して制裁を課すと発表した。具体的にどの選手に関して問題があったのかは公表されていない。
いずれのクラブも罰金処分を課されており、その金額は以下の通りとなっている。
【サントス】
75,000スイスフラン(約877万円)
【セビージャ】
55,000スイスフラン(約643万円)
【Kシント=トロイデン】
60,000スイスフラン(約702万円)
【トゥエンテ】
185,000スイスフラン(約2163万円)
これら4クラブが違反したとされるのは、「選手の地位ならびに移籍に関する規則(Regulations on the Status and Transfer of Players)」第18条の第2項、第3項である。
第2項は「クラブに対する第三者の影響」についての内容であり、ここでは“第三者”が「移籍関連の事柄および雇用について影響力を持つこと」を禁じている。そしてこの条文に違反する場合は、FIFAの規律委員会が懲罰を与える可能性があるとされる。
また第3項には「第三者による選手の経済権保有」についての規則が書かれており、クラブ、選手以外の第三者が選手の経済権(economic rights)を保有することが禁じられている。
この「経済権」とは、ある選手が移籍した際に発生する移籍金(正確には契約解除に伴う違約金)を得る権利と考えてしまえばわかりやすい。
第2項と同様に、第3項についても、この規定に違反したクラブや選手に対して、FIFAの規律委員会は懲罰を与える可能性があると記載されている。
ではこの「第三者」に該当するのはいったい誰なのだろうか、またなぜFIFAは「第三者」の介入を禁止しているのだろうか。