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長友佑都 9年前

長友の契約延長はなぜ遅れているか。発表に踏み切れないインテルの不透明な未来と補強方針

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

CLかELか。順位の見極めに迫られるインテル

 ただその一方で、クラブは来季についての回答を即座に出せない立場にいる。強化方針の見定めを始められていないのだ。インテルは現在、3位のローマを勝ち点5差で追っている。チャンピオンズリーグ(CL)に出場できるか否か、それによって補強戦略の可能性は大きく違ってくるのである。

 CLに参加するクラブは欧州サッカー連盟(UEFA)から、それぞれ成績に基づくボーナスとテレビ市場の規模に応じた分配金が貰えることになる。グループリーグに参戦し、突破をすれば2500~3000万ユーロと相当まとまった収入となる。昨夏、インテルが補強に使った移籍金総額は推定で7950万ユーロであり、その3分の1以上が賄えるというのはやはり大きい。

 ただ、3位に食い込めずヨーロッパリーグ(EL)参戦となると、成績ボーナスと分配金の規模は1/3にとどまる。インテルは2015年に7440万ユーロの赤字を計上しており、CLに出場できなかった場合は補強はおろか、コスト削減のための戦力整理さえ考えなければならなくなるのだ。

 この場合、3200万ユーロの“市場価格”が付いているというFWマウロ・イカルディや、GKサミル・ハンダノビッチ、DFジェイソン・ムリージョらが他クラブから引き抜きの対象になると見られている。つまり彼らは、3位に入れるか5位で終わるかの見通しをつけなければならないということだ。

「実際のところ、一つ負ければ3位入賞は絶望的な状態。それによってロベルト・マンチーニ監督の去就も左右されるはずなので、2、3週後に事態は動くことになるだろう」と、ラ・レプッブリカ紙のインテル番アンドレア・ソレンティーノ記者は語る。

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