「EUROに向けた重要な見識」となった2連戦
レーブもイングランド代表戦のゴメスについて「彼の自信とゴールへの嗅覚は戻っている」と述べている。試合の翌日、27日付の『ビルト』日曜版は、次のように記した。
「ゴメスは、まだやれる、ということを示した」
試合後にケディラが「不必要で愚かな敗戦」と振り返ったように、61分にハリー・ケイン、74分にジェイミー・バーディ、そして90+1分にはエリック・ダイアーと終盤に向けて立て続けにゴールを決められて、ドイツ代表は、イングランド代表に逆転で敗れる。
負傷離脱中のボアテングが不在のディフェンスは脆さを露呈したが、それもまた「EUROに向けた重要な見識」と言えるのかもしれない。気を引き締め直したドイツ代表は、続くイタリア代表には4-1で勝利した。
そして今回の2連戦が与えてくれた「EUROに向けた重要な見識」は、何よりイングランド代表戦のマリオ・ゴメスのパフォーマンスと言えるだろう。ヘディングでの得点、ワントップとしての価値の証明…ゴメスは、ブラジルW杯が終わってからの“クローゼ後の問題”に、一定の解答を示した。
6月のEUROを目前に、欠けた穴を埋める貴重なピースをドイツ代表が手に入れた、イングランド代表、イタリア代表との2連戦だった。
(文:本田千尋)
【了】