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代表 9年前

「酷い」イングランド戦にこそあるドイツの収穫。ついに解答を得た“クローゼ後の問題”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

イングランド戦で起用されたマリオ・ゴメス

 しかし、この2連戦での最も大きな収穫は、「酷い」イングランド代表戦にあったのではないだろうか。レーブは、イングランド代表とイタリア代表との2連戦を「EUROに向けた重要な見識を与えてくれる高い競争性のあるゲーム」と見なしていた。

 要するにEUROに向けた試行錯誤をするテストマッチということだが、また「選手達にとっては彼ら自身をもう一度証明する素晴らしいステージだ」とも述べている。そこでイングランド代表戦では、ワントップにマリオ・ゴメスが起用された。レーブはゴメスの起用を明言していた。

 優勝したブラジルW杯の後で、ドイツ代表は、引退したミロスラフ・クローゼの穴をどう埋めるか、という問題に直面してきた。ブラジルW杯以降、2015年11月13日のフランス代表戦まで、ドイツ代表が国際試合14試合で挙げた28ゴールの内、ヘディングによる得点は2に留まっていた。ゴール前の制空権を握られると、行き詰ってしまうこともあった。

 昨年の10月8日に行われた欧州選手権予選のアイルランド代表戦では、35分にゲッツェが負傷で退くと、解決策を見いだせないまま、0-1で敗れてしまう。ミュンヘンのイタリア代表戦でその価値を「もう一度証明」したように、決して長身ではないが、ゲッツェはワントップとして機能する。

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