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日本代表 9年前

【識者の眼】ハリル流インテンシティの正体。濃密な8秒間に見えた驚異のスピード・連動性

29日、シリアを相手に5-0と完勝した日本代表。選手たちはスプリントを繰り返しながら、相手を圧倒する素早いパスワーク見せた。チーム構築が順調に進んでいることを示したとも言えるが、まだまだ取り組むべき課題はある。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

フィジカルが強い相手に示した素早い攻撃

ヴァイッド・ハリルホジッチ
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

「非常に美しい夜だった。美しい勝利ができた。スペクタクルだったとさえ言える」

 ハリルホジッチ監督が開口一番にそう振り返る試合は5-0の勝利という結果はもちろん、シリアを相手に現在の日本代表ができるチャレンジを行った。1タッチ、2タッチのパスを中心に、素早くスペースを狙いながら、ときに周囲がスプリントで味方を追い越す。

「第一段階は終わった。第二段階は、もう少し難しくなる。このチームの発展と向上はまだ終わっていない。すべての面でまだ伸びると思う。タクティクス、メンタル、フィジカル、テクニック。そして得点能力をもっと伸ばしたい」

 チャレンジの中で目に見えるミスや連携のズレはあったし、攻守のバランスが崩れたところから危険なカウンターに持ち込まれるシーンもあった。

 指揮官が主張するように最終予選、さらにロシアW杯を見据えるならば、ここからさらに成長していく必要があるに違いない。それでもチームが目指すスタンダードを示す意味で、価値のある試合だった。

 シリア戦の2日前、非公開練習の中でフィールドをコンパクトにした10分×2本の紅白戦を行ったというが、ハリルホジッチ監督は「みなさんが我々の紅白戦を見られたら良かった。ボールの速さ、スピード。ゴールを仕留めるというところは少し問題がありますけど」と語るほどの内容だったようだ。

 長谷部誠も「インテンシティの高いゲームだった」と感想を語っていたが、90分の中で波はありながらも、シリア戦ではフィジカルの強さを押し出すチームに対してそうしたプレーを表現できたのではないか。

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