最年少だが若手ではない。崩しのイメージを掴めるか
長友との関係もまさにそう。むしろ宇佐美の方が長友の推進力や突破力、クロスの精度、シュート力を生かせるようなポジショニングを心がければ、左サイドは自然と活性化していくはず。
外が有機的に機能すれば、相手も引き出され、中のスペースが空き、香川や本田、岡崎がフリーになれる場面も増えてくる。ドローに終わった昨年6月のシンガポール戦(埼玉)のように、宇佐美を含めた4人が中へ中へと行きすぎて重なるのが最悪のシナリオだ。
その失敗例を今一度、頭に叩き込み、長友といい関係を築き上げてサイドから崩すようなイメージを、宇佐美にはしっかりと思い描き、実際にピッチ上で実践してもらいたい。
今回の日本代表では宇佐美と昌子源(鹿島)がチーム最年少。昌子は「世界では僕らと同じ歳のポグバ(ユベントス)やネイマール(バルセロナ)、ゲッツェ(バイエルン)などが活躍している。
そういう人たちが出てチームや国を引っ張っているんで、日本もそうならないと。貴史や航(遠藤=浦和)、岳(柴崎=鹿島)もそういう思いは持っている。そのためにも結果を出さないといけない」と強調していた。
その代表格である宇佐美には、チームの軸にふさわしい明確な仕事が求められているのは言うまでもない。最年少とはいえ世界基準で見れば若手ではない。チームの核にならなければならない。
(取材・文:元川悦子)
【了】