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日本代表 9年前

ハリルJで本田と香川が両立する道。ミランとドルトのシンクロから見える“いい距離感”

text by 元川悦子 photo by Dan Orlowitz ,

ゴールとアシストの両立にこだわる香川だが……

香川真司
香川真司【写真:Getty Images】

 本田が今季セリエA初ゴールを挙げた2月14日のジェノア戦を例に挙げると、ボランチのリッカルド・モントリーヴォやアンドレア・ベルトラッチ、右サイドバックのマティア・デシーリオは要所要所で本田にボールを預けて、攻めの起点を作らせていた。カルロス・バッカの先制点も彼の右クロスから生まれている。

 本人が挙げた2点目も約30mの遠めからのミドル弾。本田がゴール前に上がるのは高い位置でボールを奪ってからのカウンターなど限られた場面のみで、やはり「MF」という印象が強かった。

 けれども、代表を率いるハリルホジッチ監督は「FWとしてもっと前でプレーしてほしい。ミランより高いポジションで、相手の背後を使って存在感出してほしい」と強調。「完全な点取屋」と捉えている。つまり、誰かがパスを出す仕事を担わない限り、本田がストライカーになることはできないのだ。

 シリア戦に先発すると見られる攻撃陣の中で、こうした役割を臨機応変にこなせるのは、やはり香川だろう。今季ボルシア・ドルトムントでの彼は、時にトップ下に入ることもあるものの、4-3-3のインサイドハーフでプレーする機会が圧倒的に多い。

 絶好調だった前半戦のパフォーマンスを見たトーマス・トゥヘル監督も「シンジは毎試合のようにアシストをしてくれているし、数多くの得点機会に絡んでいる。それは非常にハッピーなことだ」と大絶賛していた。
 
 本人は「僕はゴールとゲームメークの両方を備えたい。アタッカーにあるスピードが自分にはない。ゲームメークを8~9割、アタッカーも8割9割とどっちも高いアベレージを出さないと生き残っていけない。代表でもそういうところでもっと存在感を出していかないといけないと思っています」と点も取れてアシストもできる存在に強くこだわっている。

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