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ジュニサカ 9年前

日本代表期待のストライカー・小林悠が語る、小学生時代に培った自らの武器

text by 江藤高志 photo by Getty Images

中学時代は身体面でサッカーに苦しむ

――リフティング、駆け引き、基礎技術以外で今に活きていることはありますか?

 とりあえず負けず嫌いだったことは活きていると思います。練習の最中から負けちゃいけないという気持ちは持っていました。小さいころから練習のミニゲームで負けても泣くくらい悔しがっていました。すぐ泣くキャラだったのですが、負けたくなかったからでした。

――負けず嫌いは気持ちの強さにつながりますね。

 技術も大事ですが、気持ちも同じくらい大事だと思います。もし、そのときはまだ技術が足りない部分があったとしても、うまくなりたいという気持ちがあれば練習に取り組めますし、そうすれば自ずとうまくなれると思います。気持ちで負けていたらやっぱり勝てないと思います。勝ちたい、勝ちたいと思うだけでなく、そこでどうしたら勝てるのかと考えることも大事だと思います。

――子どもの頃に転機となったことはありますか?

 中学校時代ですかね。僕は小学校の頃は東京都選抜とか、関東選抜とかに選ばれていて、町田では結構有名でした。JFCでも一個上の代に入るくらいだったので、そのころは自分でもうまいと思っていたんですが、中学校で身長がぱったり止まってからは大変でした。周りが成長期でどんどん大きくなっているのに、僕は背が低くて足もあまり速くなく、また体も細かったので、フィジカル面では全然勝てませんでした。でも、そうなったら技術で勝負するしかないので、中学校のときは技術を磨いていました。小学校時代はプロサッカー選手になれると思っていましたが、中学校に入ってからは正直ムリだなと思ったこともありました。また高校に上がるときにフロンターレユースにも落ちましたし、あれは一つの挫折でしたね。自分の中では暗黒時代でした。でもサッカーが大好きだったので、辞めたいとは思いませんでした。

――中学校時代に覚えた新しい技術は?

 自分で打開するのが難しかったので、周りの選手を使うこと。足の速い選手にパスを出すことは意識していました。あとは、ボールを受けたときに、相手のプレッシャーを感じる前に、味方にはたいてまた動くということをやっていましたね。相手にぶつかられると勝てないので、足元に入ったボールをそのまま足元に止めるのではなくて、アウトサイドとかを使って、ターンするということは意識していました。そうすれば相手にぶつけられずにワンタッチで入れ替わることもできます。このときに培った技術は、今でも活きている部分があると思います。

――高校時代はどんな選手だったのですか?

 高校に入って身長が伸び、そうしたらスピードとジャンプ力がついてきてスタイルが変わりました。中学生の頃はパスが好きだったんですが、高校に入るとそれに加えて得点を奪えるようになって、徐々に結果を出せる選手になりました。ただ、ゴールへのどん欲さはまだまだでしたが。

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