本田も勇気づけられたレスターの躍進
本田はレスターの印象について、「我々の職業というところで見ると、本質でいえばそういうことをいかに多くの人に示せるかということを求められているかという意味では、それを代表してレスターが、そして岡崎が示せているというのは、本当の意味でプロの我々にとっても勇気になっていますよね」と続けている。
本田がプレーするミランは、近年は低迷こそしているものの世界有数のビッグクラブであり、世界中のメディアからも注目を集めている。所属する選手たちも強豪国の代表クラスが揃っている。もともとプロ意識の高い本田だが、そのような環境に身を置く中で、改めてレスターの躍進を「刺激になる」「勇気になる」という言葉で称えた。
もちろん、これは日本代表の選手たちにとっても例外ではないはずだ。
2016年は、日本代表にとってさらなる進歩を目指す1年になる。ハリルホジッチ監督は、それを「第二段階」という言葉で表している。
ハリルジャパン体制が発足してから、二次予選では力の劣る相手との戦いが続いていた。しかし、三次予選ではより厳しい戦いが待ち受けていることは想像に難くない。となれば、日本代表の選手たちは個々の能力を上げるだけではなく、チームの完成度を高めていくことが必要だ。それが、岡崎の言う「連動」を超えた「共鳴」なのだろう。
“奇跡のチーム”と言われたレスターの中心に、日本人選手がいるのは非常に誇らしいことだ。オーバーヘッドでゴールを決めた岡崎は、記録だけではなく、人々の記憶にもこの先ずっと残り続けていくことだろう。
だが、誇りに思うだけであってはならない。日本代表の選手たちは、レスターから受けた刺激を「第二段階」に活かしていく必要がある。そして、ハリルホジッチ監督の言うように、岡崎はそれをチームに伝える責任がある。
(取材:今関飛駒、舩木渉/文:今関飛駒)
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